プロジェクト概要 作成ルール
Project Overview Documentation Rules
本ドキュメントは、プロジェクト概要(Project Overview) を統一形式で記述するためのルールです。 関係者が「なぜやるのか」を短時間で合意できる粒度に整えます。
1. 全体方針
- 本ルールの対象は プロジェクト概要(背景と目的、狙いの共有)です。
- 目的は「意思決定の前提を揃える」ことです。詳細な設計・実装・テスト設計は、本書の対象外とします。
- 曖昧表現(例:「適切に」「可能な限り」「十分に」)は避け、合意できる表現にします。
- 数値目標(KPI 等)を置ける場合は置きます。ただし、根拠や測定方法が不明な“雰囲気目標”は禁止です(不明なら「未確定」と明記)。
2. 位置づけと用語定義
2.1. 位置づけ(他ドキュメントとの関係)
プロジェクト概要と他ドキュメントの関係を示します。
2.2. 用語定義(本ルール内)
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 背景 | 現状と問題の文脈(事実・観察・状況) |
| 目的 | 達成したい状態(プロジェクト成功の定義の一部) |
| 必要性 | なぜ今やる必要があるか(放置リスク、期限、外部要因) |
| 期待効果 | 目的達成により得られる効果(定量/定性) |
| 前提条件 | 変えないもの/依存するもの(組織・運用・予算・技術・制度など) |
| スコープ外 | 意図的にやらないもの(理由も添える) |
3. ファイル命名・ID規則
3.1. 配置(推奨)
docs/ja/project-docs/prj-0001/のように、プロジェクト単位のフォルダ配下に配置します。- 配下の章フォルダは、原則として次を用います(構成は docs-structure-guide.md に従う)。
010-プロジェクト概要/
- 章フォルダには、該当ドキュメント以外に、プロジェクトの背景や目的に関わる関連資料(図表、参考資料など)を置いてもよい。
3.2. ドキュメントID(推奨)
メタ情報(Frontmatter)を付ける場合、ID は一意である必要があります。
- 推奨:
prj-<projectNo>-overview- 例:
prj-0001-overview
- 例:
3.3. ファイル名(推奨)
ファイル名は日本語で可読性を優先し、ID は Frontmatter で担保します。
- 例:
010-プロジェクト概要-<プロジェクト名>.md
4. 推奨 Frontmatter 項目
4.1. 設定内容
Frontmatter は共通スキーマに従います(あわせてドキュメントのメタ情報の記述ルールも参照)。
| 項目 | 説明 | 必須 |
|---|---|---|
| id | prj-<projectNo>-overview | ○ |
| type | project 固定 | ○ |
| title | プロジェクト概要: <プロジェクト名> | ○ |
| status | draft / ready / deprecated | ○ |
| based_on | 既存の経営方針・制度資料・過去 ADR | 任意 |
| supersedes | 置き換え関係 | 任意 |
4.2. 推奨ルール
based_onは、既存の経営方針・制度資料・過去 ADR など、根拠として直接参照するものがある場合のみ列挙します。
5. 本文構成(標準テンプレ)
プロジェクト概要は以下の見出し構成を 順序固定 で配置します。
5.1. プロジェクト概要(Project Overview)
| 番号 | 見出し | 必須 | 内容(要点) |
|---|---|---|---|
| 1 | 背景 | ○ | 現状、困りごと、発生している問題 |
| 2 | 目的 | ○ | 達成したい状態(成功の定義) |
| 3 | 必要性 | ○ | 今やる理由、放置リスク、期限/外部要因 |
| 4 | 期待効果 | ○ | 期待する効果(可能なら定量指標) |
| 5 | 前提条件 | ○ | 依存条件、制約、変えないこと |
| 6 | 関係者メモ | 任意 | 合意が必要な点、意思決定者、注意事項など |
6. 記述ガイド
6.1. 共通
- 見出し配下は「箇条書き+必要最小限の表」を基本とします。
- “事実/観察” と “推測/仮説” を混ぜないでください(混ざる場合はラベルで区別)。
- 読み手が「次に何を決めればよいか」が分かるように、未確定は未確定として明示します。
6.2. 背景
- 何が起きているか(現状)と、何が困りごとか(問題)を分けて書きます。
- 推奨: 事実は具体例(頻度・件数・影響)を添える。
6.3. 目的
- 「〜を改善する」だけではなく、改善後の状態(利用者・現場の状態)を書きます。
- 推奨: 目的を 1〜3 行に絞る(増やす場合は優先度を付ける)。
6.4. 必要性
- 期限、制度/契約、競合、障害、属人化など「今やる理由」を明確にします。
6.5. 期待効果
- 可能なら、以下のような最小の計測定義を置きます(不明なら空欄ではなく「未確定」)。
| 指標 | 現状 | 目標 | 測定方法 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
6.6. 前提条件
- 変えない前提(例: 運用体制は当面変えない)と、依存前提(例: 他部門の協力が必要)を区別します。
7. 禁止事項
| 項目 | 理由 |
|---|---|
| 設計詳細(DB設計、API設計等) | プロダクト仕様/設計ドキュメントへ委譲 |
| “だいたい/適切に” 等の曖昧表現 | 合意・検証ができない |
| 根拠のない数値目標 | 誤った期待形成・炎上の原因になる |
8. サンプル(最小)
yaml
---
id: prj-0001-overview
type: project
title: プロジェクト概要: 駄菓子屋きぬや 店頭販売システムの構築
status: draft
based_on: []
supersedes: []
---8.1. 背景
- 地域の子どもたちに長年親しまれている「駄菓子屋きぬや」では、販売記録や在庫管理をノートと記憶に頼っている。
- 店主(算野きぬ)の高齢化により物忘れが増え、次の問題が顕在化している。
- 人気商品(うまい棒、ラムネ等)の欠品が増えてきた
- 仕入れのタイミングや数量が勘頼りで、在庫のムラが大きい
- 常連の子どもや近所の大人の「つけ(ツケ)」の管理が曖昧で、記録漏れや確認コストが発生している
8.2. 目的
- 駄菓子の販売・在庫・顧客(常連)の情報を、シンプルな仕組みで一元管理できる状態にする。
- おばあちゃん一人でも無理なく操作できる画面と操作フローを提供し、日々の記録が継続できる状態にする。
- 欠品と過剰在庫を減らし、小さなお店の利益と継続性を高める。
8.3. 必要性
- このまま記憶と紙運用を続けると、欠品や在庫過多による損失が増え、店舗継続リスクが高まる。
- 店主以外が店番をした際に状況が分からず、販売・在庫・つけの判断が属人化している。
- 新しい運用を定着させるには、繁忙期前に最小機能で稼働させ、日々の記録を先に習慣化する必要がある。
8.4. 期待効果
- 欠品と在庫ムラの低減により、機会損失(売り逃し)と廃棄・滞留を減らす。
- 「つけ」の残高が可視化され、確認の手間とトラブルを減らす。
可能なら、効果は次のように測定可能な形で定義する。
| 指標 | 現状 | 目標 | 測定方法 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 人気商品の欠品回数 | 未確定 | 月間 50% 削減 | 欠品発生を日次で記録し、月次集計 | 対象商品の定義は別途合意 |
| 売れ残り/廃棄によるムダ | 未確定 | 年間 20% 削減 | 廃棄・値引き・滞留を記録し集計 | 初期は廃棄のみでも可 |
| 「つけ」残高の確認時間 | 未確定 | 確認が 1 分以内 | 画面上で顧客検索→残高表示 | 体感/観察でもよいが根拠を残す |
8.5. 前提条件
- 対象は単一店舗(きぬや)の店頭販売と、店頭在庫・常連顧客の管理に限定する。
- 初期リリースでは、EC 連携・複数店舗管理・本格会計連携などは対象外とする。
- 操作端末は店内のタブレット 1 台を想定し、オフライン時の運用は未確定(未確定の場合は別途意思決定する)。
9. 生成 AI への指示テンプレート
生成 AI にプロジェクト概要を作らせるときの指示テンプレートは prj-overview-instruction.md を参照してください。