プロジェクト課題と解決アプローチ
現状の業務上の課題を整理し、それらに対する解決方針・アプローチ(技術的選択肢、優先度)をまとめます。
ドキュメントの目的
- 本ドキュメントは、プロジェクトが直面する主要な課題を可視化し、関係者が共通認識を持ったうえで優先順位付けと対応方針を決定できるようにすることを目的とします。
- 解決アプローチを設計段階で検討し、設計・実装・テストでの誤認や手戻りを減らします。
ドキュメントの内容
ドキュメントには、少なくとも以下を含めます。
- 課題一覧:現状の問題点(業務フロー、機能不足、性能、運用上の問題など)と影響範囲
- 解決アプローチ:各課題に対する対応方針(短期対処、恒久対策、代替案)
- 優先度・影響度:ビジネスインパクトと技術的難易度に基づく優先順位
- 根本原因(仮説)と検証方法:原因仮説、必要なデータ、検証ステップ
- 効果指標(KPI)と受け入れ基準:改善効果の測定方法、達成すべき定量・定性基準
- 関連ドキュメント:設計書、要件書などへの参照リンク
なぜこのドキュメントが必要か
- 課題を早期に可視化することで、優先度の低い作業にリソースを投入する可能性を減らせます。
- 解決方針を関係者で合意しておくことで、後工程での仕様変更や不要な再設計を防げます。
- 改善の効果指標(KPI)と受け入れ基準を事前に定義することで、取り組みの成否を客観的に判断できます。
このドキュメントがないとどう困るか
- 同じ問題に対してチームごとに別々の対処が行われ、統一的な品質や運用性を確保できなくなる。
- 優先度の誤認により重要な課題が後回しになり、ビジネス影響が拡大する。
- 効果指標が定義されないため、対応施策の有効性判断が主観的になり改善が定着しない。
サンプル
以下は簡易サンプルです。実際のプロジェクトでは、各項目を具体的な事実(ログ、顧客クレーム、運用コスト等)で裏付けて記載してください。
課題: 注文処理の遅延が発生しており、ピーク時に処理がタイムアウトする。
- 影響: ユーザ体験の悪化、売上機会の損失
- 根本原因(仮説): 高負荷時のDBボトルネック/同期I/O集中
- 解決アプローチ:
- 短期対処 - 非同期バッチ処理に切替え、タイムアウトを回避
- 恒久対策 - DBインデックス最適化とクエリ改修、性能テスト計画の実施
- KPI/受け入れ基準: ピーク時P95応答時間 < 1.5秒、タイムアウト率 < 0.1%
課題: 顧客データの重複登録が発生している。
- 根本原因(仮説): 入力時の同一性チェック不足、名称表記ゆれ
- 解決アプローチ:
- 入力バリデーション強化とユニーク制約のDB適用
- 既存データのクレンジング・マージ規則の策定
- KPI/受け入れ基準: 重複登録率 月次0.5%未満、重複解消リードタイム 3営業日以内
注: 上記は例です。プロジェクト固有の状況に合わせて優先度や対応コストを明確にしてください。